モデルハウスの建設中にお打合せにうかがい、外観の全体イメージとお部屋からの眺めを提案しました。すでにシンボルツリーのイメージ、和室からの眺めのご要望が明確でしたので、私はそれぞれのイメージをまとめる全体計画を行いました。
理想の住まいを求めて訪れるお客さまに「リラックスできる家だな」と感じていただけると嬉しいです。お客さま、工務店様、そして植物たちが健やかに育ち、実を結ぶ未来を思い描きながら、計画からデザイン監理までを行いました。
滋賀県守山市にあるいがらしクリニック 様の庭は、建物の設計段階から打ち合わせに参加し、庭の目的にあう面積、建物との高さ関係、土の量、排水等を含めて、デザイン提案をしました。
五十嵐先生と設計士さんから「心地よい森林の空気を感じる庭」という明確なご要望がありましたので、リラックス、安心感、清々しさのある庭を目指しました。春の芽吹きと花、夏の濃い緑、紅葉、冬の樹木のシルエット。四季折々の庭の表情が、地域の景色の一部となることを願っています。
※以下の5枚は、施工後9ヶ月目の新緑の写真です。
※ 完成直後の写真は、ブログ「いがらしクリニック様のお庭紹介」に掲載しています
滋賀県東近江市にある医療法人 笠原レディースクリニック様から、正面玄関や駐車場などに、「『地域の森』のような緑がほしい」とのご依頼をいただきました。
施工期間は2~3週間。
【敷地の特徴】
・遠景に名勝地の山があり、空気もよく開放的で恵まれた自然環境。
・夏場は日当たりが良く、水はけ・保水ともに良好。
・正面玄関前は半屋外。
【ご要望①】
「正面玄関付近に緑がほしい。」
→正面玄関には開院当初の想いが込められたカラフルなビー玉入りの舗装と装飾した窓があり、思い出を大切に残したまま花壇を設置しました。既存のコンクリートには手を加えず、最小限の工事で院内のデザインとなじむように配慮。患者様がリラックスできるように自然素材と空間デザインのカタチを重視しました。勤務されているお医者様、事務長様にもサンプルで素材や色合いを確認していただきました。
【ご要望②】
「敷地内の駐車場にも緑がほしい。」
→道路からランドマークになるような緑の空間をデザイン。看板は夜間照明もあり、単体でも目立ちますが、道路沿いには多くの色彩と看板があるため、「看板+緑」は効果的と考えました。植栽スペースとしてアスファルトの一部を撤去。シンボルツリー(モッコク)には駐車場1台分を使用。真夏の照り返しと保水の面からシンボルツリー横の駐車場1台分は透水性のある舗装材を使いました。
【ご要望③】
「地域の森にしたい。ただし動線や実用性、機能性は現状維持。」
→『地域の森に』という施主様の想いに応えるため、植物の生育環境を整えることを重視し、透水性アスファルトを一部使用。雨が地中を通ることで、植物が根を張って健やかに育つこと、地面温度の上昇を抑えることに効果的と考えました。
緊張感ある医療現場だからこそ、生命感あふれる緑で心身ともにリラックスできる空間にしたいと考え、イメージスケッチで敷地全体の緑のつながりを提案しました。
【ガーデンデザイナー 宮森の想い】
今回は特に命の営みを意識したので、地域の神様にご挨拶しようと、名勝地である山へ行き、神社に参拝しました。その際、植物調査すると、いくつかの植物が目に留まり、環境条件、美しさ、機能、管理の面でふさわしいものを提案できました。打ち合わせのたびに、患者様への想いや姿勢に心打たれました。
施工前から駐車場のおくにいた既存樹のシマトネリコ。そこに新しく仲間入りした植物たちの営みに、癒しやリラックスを感じていただけますように。
(施工後はじめての夏は酷暑でしたが、細やかな管理のおかげで、植物は健やかに2度目の秋を迎えています。2023.11)