ミヤモリデザイン事務所の仕事とは? ガーデンデザイナーの現場の裏側

ガーデンデザインというと、庭に花や木をセンスよく植える、華やかな職業に思われがちです。しかし現実は、地道な作業の積み重ねや、現場・裏方仕事の多い、かなり泥臭い職業です。

そこで今回は、ガーデンデザイナー、宮森の庭づくりの現場の裏側をお伝えしようと思います。

ガーデンデザイナーって、何をする人?

ガーデンデザイナーは、庭の設計(デザインと図面作成)と工事監理(現場の指揮・監督)を行います。それは、建築士が建物の設計と工事監理をするのと似ています。

まずは、庭の設計(デザインと図面作成)を、私がどのように考えてつくっていくのかを説明します。

頭の中で創造することが多く、一般の方が一番理解しづらい部分だと思うので、少し丁寧に解説してみますね。

庭のデザイン・図面作成のときに行うこと

庭のデザインは、ひとつとして同じものはありません。それは、庭の持ち主や環境など、あらゆることがすべて違うからです。

では、庭のデザイン・図面作成するとき、どのように考えて、何を大切にしているのかを説明します。

①一番大切な、庭の持ち主の想いをキャッチする

庭をデザインするときにもっとも大切にしているのは、持ち主がどのような庭をつくりたいか、ということです。

「どんな庭にしたいですか?」と尋ねても、具体的な言葉として出てこないことも珍しくありません。そんなときは、打ち合わせの雑談などからヒントを見つけていきます。

 

「どんな暮らしがしたい?」「どんな風景が好き?」「庭で何がしたい?」などを話すことで、ご自身の理想に気づいたり、要望を言葉にできたりされます。それらの情報を整理し、お客様が心から望む庭をデザインし図面を作ります。

② 庭のデザイン・図面作成の試行錯誤

建物や周辺とのバランスを考慮しますが、屋内からどのように見えるかも大切です。図面を確認し、構造物の寸法を必要に応じてミリ単位で決定していくこともします。

土地の良い点や問題点、日照条件、気候などを調べ、環境にあう植物を選定します。

デザインした空間や構造物、植物・石など、すべての材料が、お客様の要望に合っているのかを検討します。

 

うかがった要望からすぐにイメージがうまれることもありますが、何通りものプランを描いてから1つに絞ることも少なくありません。

③現場調整・トラブルの予測

トラブルがまったくない現場というのは、経験上ほぼありません。打ち合わせから完成までの期間、規模は違えど、何が起こるかは分からない。だからこそ、未然に防ぐ心づもり・事前準備が大事になります。

例えば、図面段階ではどこでトラブルが起こりそうか、現場調整が必要になるかを予測しておきます。それを把握できているか否かで、現場の動きは変わります。

庭づくりは、信頼できる職人さんと一緒に

庭づくりに関わる職人さんとの信頼関係も大事です。植物や石などの自然物などは、図面通りにいかないことがあるからです。

そんなときは現場で、職人さんに確認をとり、向き、角度、深さなどを微調整します。細かすぎると思われるかもしれませんが、意外にもそのひと手間が最終的な仕上がりを左右することが多々あります。

 

トラブルになる前にすぐ対処する姿勢を、ある造園の親方の姿を見て学ばせていただきました。「あ、違う!」と気づいたら、つべこべ言わずに誰よりも早く対処した結果、誰もその手直しに気づかず、トラブルにならなかったという、数十年前の親方武勇伝です。

もう引退されましたが、働く後ろ姿がとても素敵な親方でした。

 

職人不足が深刻な今、信頼できる職人さんを常に探しています。同じ気持ちで仕事できる方と、真剣に庭づくりに向き合えるのは本当に幸せだと思っています。

長い年月を共にする庭だから、どの工程も大切にしたい

 ガーデンデザインは、短期間で効率よく儲ける発想から縁遠いもの、と私は考えます。

長い年月を共にする庭をつくるのは、出産・子育てに似ています。タイパもコスパも不要ではありませんが、自然を相手にするとき、そこだけに価値があるとは言い難いと思います。

 

庭は持ち主の手に委ねられ、時間をかけて育っていくものであり、人間の時間軸を軽々と超えていきます。

庭の施工が完了した 20 年、30年先を見据え、健やかに育つことを願っているからこそ、お客様との打ち合わせや確認、施工時間を大切にしていきたいのです。

 

人に寄り添い続けてくれる、庭という自然が身近にあることが、こんなにも必要な時代はないでしょう。

最後に、人の命を守り育む建物と同じくらいの時間を共にする庭づくりでありたい、今回はそれをお伝えできたことに感謝いたします。

 

ガーデンデザイナー

宮森有子